RADIOISOTOPES
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原著
Gafフィルム線量計とイメージスキャナを組合せた簡便なイオンビームの2次元線量相対分布計測システム
上松 敬花屋 博秋小嶋 拓治
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 57 巻 2 号 p. 87-98

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抄録

材料科学やバイオ技術の研究開発ではサイクロトロンのイオンビームを大面積に均一に照射する必要がある。そこで,飛程の短い重イオンビームにも応用可能なGafフィルム線量計HD-810(表面保護層:0.75μm,感受層:6.5μm)と,携帯可能なパソコン用スキャナ(光学分解能:5.3μm)を組合せ,簡便で高空間分解能な2次元線量相対分布測定システムを開発した。本システムでは,スキャナデータのRGB色成分で線量応答感度が違うことに着目し,線量が予測しにくいスポットビームでも,1回の照射だけで線量測定可能範囲内の色成分を選択し解析することにより相対分布測定を可能にした。また,CCDとCIS(3LED)の二方式のスキャナの特性を測定した結果,線量応答値は機種により異なるが,0~数百Gyの領域でリニアであった。これから,いずれの市販スキャナでも,予め校正用フィルムで応答曲線を作成することにより,2次元線量相対分布測定システムを構成可能であることを示した。

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