RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
速報
放射性降下物に起因した果樹樹体内放射性核種の分布(第4報)―モモ樹体内における放射性セシウム含量とその分布について―
高田 大輔安永 円理子田野井 慶太朗中西 友子佐々木 治人大下 誠一
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2012 年 61 巻 12 号 p. 607-612

詳細
抄録

東京電力福島第一原発事故由来の放射性Csのモモ樹体中への移行とその分配について検討した。放射性Csは,1~3年生の枝に最も多く存在した。樹体において放射性Cs濃度を組織別に調べたところ,樹皮で極めて高く,土壌表層よりも高かった。また,樹皮は重量が少ないにもかかわらず,放射性Cs量としても多かった。材部分での濃度は低かったが,総量としては,樹皮と同レベルであった。なお,果実や葉などの部位を通じて樹体内の2割程度の放射性Csが樹体外に持ち出される見込みである。

著者関連情報
© 2012 by Japan Radioisotope Association
前の記事 次の記事
feedback
Top