2012 年 61 巻 2 号 p. 57-63
出発物質の鉄の価数の影響を知るため,硫酸鉄(II)あるいは硫酸鉄(III)をゾル―ゲル法によりキセロゲルを作製した。得られたキセロゲルを700~1000℃で焼成し,鉄酸化物―シリカガラスコンポジットとして,鉄の状態をメスバウアー分光法により詳細に調べた。
硫酸鉄(II)を出発原料にした場合に,硫酸鉄(III)を出発原料とした場合より低い焼成温度でε-Fe2O3が生成した。また,同じ焼成温度で作製した場合,ε-Fe2O3の含有率は硫酸鉄(II)を出発原料にした試料の方が大きく磁化測定の結果と一致した。