RADIOISOTOPES
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速報
福島第一原発事故が及ぼしたセシウム起源空間放射線量率の福島県における経時変化と場所依存性
飽本 一裕
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 61 巻 7 号 p. 373-378

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抄録

福島第一原発事故により汚染された福島県中・東部155か所における2011年6月10日以降の約半年(178日)間にわたるCs起源の空間放射線量率データを解析し,放射線量率の平均減少率22±2%(半減期換算で約1.4年)を得た。これは放射性崩壊理論から求まる期間減少率11%の約2倍のペースで,残り11%は主にウェザリング効果である。大半の地点において理論値以上のペースで線量率が減衰したが,強いウェザリング効果のため,線量率の減少率は季節に依存する傾向がある。線量率が不変ないし増加した地点,つまり,2次汚染地点も浪江町や南相馬市を中心に5%程度ある。

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© 2012 by Japan Radioisotope Association
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