2013 年 62 巻 3 号 p. 149-157
福島原発事故後に栽培された野菜と土壌の134Cs,137Cs及び40Kの放射能を測定した。放射性セシウム(134Cs+137Cs)濃度の最大値が1235Bq/kg-dry weightの土壌で栽培されたジャガイモ塊茎に7Bq/kg-wet weight以下の移行が認められた。一方,放射性セシウム濃度が651Bq/kg-dry weight以下の土壌で栽培されたキャベツとレタス可食部では,セシウムの移行は検出されなかった。どの圃場でも,40Kは鉛直方向にほぼ均一な濃度であり,137Csと134Cs濃度は土壌の表層部で高く深部で低い分布を示した。