RADIOISOTOPES
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原著
メスバウアー異性体シフトと密度汎関数計算の組合せによる三価ユウロピウム錯体の結合状態研究
金子 政志渡邉 雅之 宮下 直中島 覚
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 66 巻 8 号 p. 289-300

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抄録

相対論密度汎関数計算を−1.77から0.57 mm s−1151Euメスバウアー異性体シフトを示す5つの三価Eu錯体に適用した。BP86による構造最適化の後,3種類の理論(BP86, B3LYP, B2PLYP)による一点計算に基づくEu位置の電子密度とメスバウアー異性体シフトの相関を議論した結果,B2PLYPがメスバウアー異性体シフトをよく再現した。Mulliken密度解析の結果,Euのd, f電子密度がメスバウアー異性体シフトと相関し,d, f電子がEu錯体の共有結合性に関与することが示唆された。

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© 2017 公益社団法人日本アイソトープ協会
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