2018 年 67 巻 4 号 p. 165-168
中性粒子ビーム発生源となる負イオン源では,加速器の絶縁破壊,及びビームによる電極への熱負荷が高いことが耐電圧・長パルスの観点で問題であったが,加速器で用いる大面積電極の耐電圧特性を明らかにして絶縁破壊を抑制し,高精度の負イオンビーム軌道制御法を考案して電極熱負荷を低減した結果,ITERで必要な1MeVビームの60秒間連続生成を実証した。イタリア(Consorzio RFX)に建設中のITER NB実機試験施設に向けた1MV直流高電圧電源機器開発では,機器開発を通じて機器製作を完了させ,2017年時は全体の9割の機器を据付け,2018年に電源統合試験を実施する計画で順調に進展している。