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67 巻, 4 号
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
特集
核融合研究開発の最近の状況
  • 鎌田 裕
    2018 年 67 巻 4 号 p. 113-114
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル オープンアクセス
  • 鎌田 裕
    2018 年 67 巻 4 号 p. 115-120
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル オープンアクセス

    核融合炉研究開発は,要素技術開発の時代を過ぎて,システム統合の時代に入ってきた。日米欧露中韓印の7極の協力の下,核融合プラズマ燃焼と核融合炉工学技術の実証を主目的とする国際熱核融合実験炉ITERの建設が進んでいる。また,このITERに貢献あるいは補完する研究が,日欧の「幅広いアプローチ活動」の下に進み,定常高圧力プラズマ制御の実現を主目的とするJT-60SAや核融合中性子工学研究のためのIFMIF原型加速器の建設が開始された。そして,原型炉開発を担う全日本体制が構築され研究開発が開始された。

  • 坂本 宜照
    2018 年 67 巻 4 号 p. 121-126
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル オープンアクセス

    核融合原型炉の技術基盤構築のための産学官連携の体制が整備され,核融合エネルギーを用いて発電を実証する核融合原型炉の開発計画を定めたロードマップやアクションプランに関する議論が活発になっている。核融合発電炉の実用化を見据え,エネルギー政策の要諦を踏まえた核融合原型炉の目標と課題が設定された。また,核融合原型炉の技術基盤を構築するための司令塔の役割を担う原型炉設計合同特別チームがオールジャパン体制で設立され,わが国の核融合原型炉の姿が描き出されつつある。

  • 井上 多加志, 草間 義紀, 杉本 誠, 奥野 清, 中嶋 秀夫
    2018 年 67 巻 4 号 p. 127-132
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル オープンアクセス

    ITER計画は,フランスのサンポール・レ・デュランスで建屋の建設が急ピッチで進められており,並行して日欧米露中韓印の参加7極において,ITERの核となる機器の設計・製作が進展している。日本が物納調達の責任を有するトロイダル磁場(TF)コイル用及び中心ソレノイド用の超伝導導体,TFコイル・同構造物,中性粒子入射加熱装置(NB)用高電圧電源,電子サイクロトロン波(EC)加熱装置のジャイロトロン等については,国内における製作が順調に進展している。2016年11月,参加極の政府高官から成るITER理事会は,ITERの運転開始となるファーストプラズマを2025年12月,その後段階的に運転範囲を拡張し,本格的に核融合反応を起こす運転を2035年に開始するという計画を決定した。本稿ではITER計画の歩みを振り返るとともに,日本がITERに物納するTFコイル,NB用電源,EC装置ジャイロトロンの製作の進捗を報告し,さらにファーストプラズマ,核融合運転に向けた計画を紹介する。

4 核融合エネルギーの研究分野における幅広いアプローチ(BA)活動の現状
  • 鎌田 裕
    2018 年 67 巻 4 号 p. 133-137
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル オープンアクセス

    日本と欧州が共同して茨城県那珂市で建設中の実験装置JT-60SAは,大型トカマクJT-60を改造して超伝導装置とするもので,ITERではできない原型炉に必要な高いプラズマ圧力領域での定常運転の開発や,ITERを支援する様々なアイデアを試す装置である。そして,ITERや原型炉で活躍する人材を育てる。2020年9月の実験開始に向けて機器製作や組み立てが高精度かつ順調に進んでいる。日欧15カ国45研究機関の共同研究者(378人)によって,このJT-60SAを用いた研究計画を取り纏めた。

  • 坂本 慶司, IFMIF/EVEDA原型加速器統合チーム
    2018 年 67 巻 4 号 p. 139-145
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル オープンアクセス

    大強度中性子源の実現を目的としたIFMIF/EVEDA原型加速器の開発が進行中である。初段の入射器試験において,目標の100 keV–140 mAの重陽子加速が実証されている。このビームは続く高周波四重極線形加速器により5 MeVまで加速され,さらに,超伝導加速器で9MeVまで加速される計画である。重陽子ビームのターゲット系の開発として,液体リチウムテストループが開発され,15 m/sの液体リチウム流動,1,300時間の安定な運転を実証した。

  • 中島 徳嘉, 日本側実施機関 , 欧州側実施機関
    2018 年 67 巻 4 号 p. 147-152
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル オープンアクセス

    幅広いアプローチ協定に基づき,ITER計画の支援・補完と原型炉の早期実現に貢献するため,国際核融合エネルギー研究センター(IFERC)事業は,原型炉設計・研究開発調整センター活動,計算機シミュレーションセンター活動,及びITER遠隔実験センター活動からなる三副事業を実施している。ここでは,三副事業の活動内容を概説する。

  • 鎌田 裕
    2018 年 67 巻 4 号 p. 153-159
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル オープンアクセス

    核融合炉の炉心プラズマに求められる性能は,高い閉じ込め性能で所要の核融合出力を得,第一壁への熱流を許容範囲に保ちつつ,高い出力密度(高いプラズマ圧力)でコンパクトな炉心とし,かつ小さな循環電力で定常的にプラズマを維持することである。この炉心プラズマの研究開発は,日本が主導してきた科学であり,JT-60装置での臨界プラズマ条件の達成をはじめ,数々の世界最高性能を樹立してきた。原型炉へ向けた今後の研究の要点は,i)ITERでの燃焼プラズマ(エネルギー増倍率Q=10)の長時間維持,ii)JT-60SAでの定常高圧力プラズマ(高規格化プラズマ圧力・高自発電流割合)の長時間維持,そしてiii)モデリング・シミュレーション研究を合わせた原型炉を十分予測できるプラズマの理解である。

6 核融合工学研究開発の現状
  • 落合 謙太郎
    2018 年 67 巻 4 号 p. 207-211
    発行日: 2018/04/15
    公開日: 2018/04/15
    ジャーナル オープンアクセス

    核融合炉におけるブランケット構造材料の損傷に関する知見をより正確に評価し,供用期間中の健全性を確証するためには,ヘリウム生成率とはじき出し損傷率の比(He/dpa)を10近くにし,はじき出しによって作られた欠陥とヘリウム生成との相互作用による材料変化を様々な材料試験によって検証することが必要であり,このために核融合炉を模擬した中性子スペクトルを持つ大強度中性子源が必須である。本章では,これまでのIFMIF/EVEDAでの開発技術をもとに,量研で計画している核融合中性子源施設建設に向けた活動計画を紹介するとともに,その幅広い利用計画に向けた提案を紹介する。

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