2019 年 68 巻 2 号 p. 65-71
日本大学医学部では平成28年度の薬理学実習に13C呼気試験を導入した。実習では,①13C尿素呼気試験,②13Cフェニルアラニン(L-[1-13C]phenylalanine)呼気試験,③13Cロイシン(L-[1-13C]leucine)呼気試験を行った。基本的教育原理である能動性や臨床医学との関連性の担保が可能な実習であった。安定同位体13CO2の測定は放射性同位体と異なり特殊な施設を必要とせず,測定機器の取り扱いも容易である。13C呼気試験の学生実習導入は測定機器の初期購入や投与試薬が高額であるなどの問題点はあるが,医学教育における基礎医学と臨床医学の橋渡しとして有用であると思われる。