RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
原著
拡散霧箱中のアルファ線の通過方向と反対の方向に延びる飛跡について
森 千鶴夫 山本 海行
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2023 年 72 巻 3 号 p. 281-292

詳細
抄録

拡散型霧箱には謎が多い。α線は10ナノ秒以下で通過し終えるが,その飛跡が数十ミリ秒の時間で伸びて行くのが目に見える。また,α線の通過方向とは反対の方向に飛跡が伸びるという信じ難い現象を見出した。後者の現象を検討した結果,α線の通過経路に沿って温度差があり,通過の始めの近傍のエタノールの過飽和分子の濃度が通過の終端近傍の濃度よりも数分の1程度に低い場合に起きることを実験的,理論的に確かめた。

著者関連情報
© Japan Radioisotope Association 2023. This is an open access article distributed under the Creative Commons Attribution 4.0 International (CC BY 4.0) License (https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)
前の記事
feedback
Top