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トリチウム標識ステアリン酸およびラウリン酸の合成
村松 三男藤井 収佐々木 恒孝
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1961 年 10 巻 1 号 p. 100-105

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抄録
(1) 漆原ニッケルを触媒とし, ジオキサンを溶媒としてオレイン酸よりステアリン酸-9, 10-3H, 3Hを合成した。触媒はアルカリ処理のものと酸処理のもので差異がない。
(2) 改良α置換法によりラウリン酸より2-ドデセン酸を造り, ステアリン酸の場合と同様にしてこれより3H添加によって, ラウリン酸-2, 3-3H, 3Hを合成した。
(3) 上記合成試料につき放射能測定から3Hの含有量を測定した結果では放射性収率はステアリン酸72~54%, ラウリン酸33~25%であった。収率の低いのはカルボキシル基に3Hがはいることおよびα位の3Hが比較的不安定でカルボキシル基のHと交換しやすいためと考えられる。
(4) 製品の純度をしらべるため, 転相クロマトグラムを造り, 鎖長既知 (C12~C20) の脂肪酸のそれと比較し, 同時にクロマトグラムにつき光の吸収および, 放射能測定による3Hの移動をしらべ, 製品が同族体不純物を含まないことをたしかめた。
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