抄録
1957年当場のアイソトープ課にガンマ線照射室が建設され, チューリップ球根に対する影響について実験中である。照射第1年目の効果について試験し, 第2年目以後の変化の模様についても詳細に観察し, チューリップの芽条変異誘発について検討した。
1) 線量率試験の結果, 50r/h以下で1~3kr照射の場合仔球の生産は抑制されない。
2) ガンマ線により花弁に条斑点が出現するが, これには一定の傾向があり, またその形状は球根の発育分化と関係がある。
3) Athleetについて照射第4年までの変化について観察した結果, チューリップにおける芽条変異は‘キメラ説'で説明されるとした。