RADIOISOTOPES
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Preliminary Studies with Se-75 Methionine for Clinical Diagnosis of Pancreas Tumor
Teruo NAGAI
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1963 年 12 巻 4 号 p. 378-383

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抄録

X線診断を含め従来の診断法では膵臓の形態を知ることはできないので, アイソトープスキャンによる膵臓形態の描記が成功すれば, その価値は大きい。米国E.R.Squibb and Sons社の75Seメチオニンを正常例1例, 膵臓癌の疑いある患者5例に140~200μc静注投与し, 面スキャンを試みるとともに, 外部測定による75Seメチオニンの動的代謝を追究し, また全身計数法によってその体内残留率を求めた。6例中5例に膵臓像を認め, うち2例ではおそらく癌による膵臓尾部の欠損像が認められた。この欠損像の成因については今後手術あるいは剖検の機会に確認する予定である。これらの結果は【75】Seメチオニンが膵臓疾患, とくに膵臓癌の診断に価値あることを示している。

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