従来renogramの評価はその曲線の形を種々幾何学的に分析して数値計算が行なわれているが, その分析方法自身生理学的, 理論的裏付けに乏しい。まず, 第1に131IHSAの実験により一般にRI静注後血中に均等に混和するのに2~3分かかることがわかったので, renogramの精密な評価には2~3分までの部分は削除して考えねばならない。著者らはHippuranのkinetics modelとして7compartmentを考え, 理論的考察と実験データより40分間記録したrenogramが3指数関数の和として数式に表現されることを知った。片対数グラフ上で3本の直線に解析でき, 計算により血管外→血管内, 血管内→腎実質, 腎実質→細尿管, 腎胚, 腎盂腔へのHippuran移動速度を定量的に求め得た。