1966 年 15 巻 6 号 p. 359-370
われわれは10年以上前に131I-甲状腺摂取率の測定成績について多くの報告をしたが, そののち測定器および測定方法は著しく進歩したのでその成績を再検討することは意義あることと考え, 最近4年間に測定した正常者400例, 甲状腺機能亢進症300例, 甲状腺機能低下症20例, び慢性甲状腺腫230例, 結節性甲状腺腫140例, 悪性甲状腺腫30例, 亜急性甲状腺炎20例, 慢性甲状腺炎50例についてその成績を検討し, とくに正常者400例, 甲状腺機能亢進症300例については性別, 年令別, 季節別差異を調査した。また摂取率の24時間値が3, 6時間値に比すると少ない例について考察し, 3, 6, 24時間値のいずれが診断適中率が高いかを比較した。甲状腺機能亢進症150例について有効半減期を測定し, また131I治療にて治癒した甲状腺機能亢進症の131I-甲状腺摂取率についてその治癒判定上の価値がほかの検査法に比し少なきことを論じた。