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トリチウム標識化合物の製法と生体内分布に関する研究 (II)
新局所麻酔薬2-Methyl-2-n-propylaminopropion-o-toluide hydrochloride (LA-012) のモルモットにおける生体内運命
飯 照彦佐藤 善重
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1967 年 16 巻 6 号 p. 256-262

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抄録

新局所麻酔薬LA-012の生体運命を知るため, 3H-LA-012を用いてモルモットにおける吸収, 排泄, 体内分布および代謝を検討した。LA-012の吸収は非常に速やかに行なわれ, 筋注後1時間で注入部位からほとんど大部分が消失した。3H-LA-012皮下注後10分での最高濃度は腎臓で認められた。ついで肺臓と脾臓が高い濃度を示したのに対し, 肝臓および血液中の濃度は非常に低かった。投与した放射能の大部分は24時間以内に尿中に排泄され, そのうちの数%が未変化の3H-LA-012であったのに対し, 大部分は代謝物であった。LA-012代謝の主要臓器は肝臓であることが示された。LA-012の主要な代謝経路は水酸化および脱アルキル反応であると推定された。

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