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トリチウム標識化合物の製法と生体内分布に関する研究 (III)
抗トキソプラズマ薬2-Sulfamoyl-4, 4'-diamino-diphenylsulfone (SDDS) の生体内運命
飯 照彦佐藤 善重
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1967 年 16 巻 7 号 p. 326-331

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抄録

抗トキソプラズマ薬2-sulfamoyl-4, 4'-diaminodiphenylsulfone (SDDS) の生体内運命を知るため, SDDSをトリチウムで標識し, これを用いてマウスまたはラッテにおける吸収排泄, 体内分布および代謝を検討した。SDDSの筋肉からの吸収は徐々に行なわれた。マウス腹腔内注射後5時間での最高濃度は肝臓において認められ, ついで脾臓および腎臓が高かったのに対し, 脳がもっとも低かった。ラッテにおける全身オートラジオグラムは肝臓および腎臓に強い放射能活性を示した。マウスの腹腔内注射後3日間で投与した放射能の80%が尿中に排泄された。尿中に排泄された放射能の65%が未変化の3H-SDDSであり, 残りの35%はN-グルクロナイドを主体とする代謝物であった。

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