E.coli B/rを用いた放射線防護剤の研究中に多くの水溶性中性界面活性剤が防護作用をもっていることを見出した。Tween80はしらべられた界面活性剤のうちでもっとも強い防護作用を示し, その最高値では2.5のDRFを示した。β-mercaptoethylamineは0.06
Mで4.0のDRFを示す。Tween 80の場合は10
-4Mにおいて防護作用が現われ, β-mercaptoethylamineの場合のようなplateau濃度を示すことなく, 10
-1Mまで濃度に比例して防護作用が増加する。水溶性界面活性剤の構造のなかのpolyoxyethyleneの鎖は親水作用を高めるとともに, この放射線防護作用にも作用していると見られる。作用機作を証明するような実験事実はまだないが, bacteriaの表面の状態の変化に起因するように思われる。
抄録全体を表示