1968 年 17 巻 12 号 p. 549-554
種々の方法で作られたCu-Ni合金上における吸着水素の反応性をしらべるため3H2および14C-エチレンをトレーサーとしたオートラジオグラフィを適用した。触媒として溶融合金および蒸着膜が用いられ, これらに対する吸着性におよぼすα線照射および熱処理の効果が観察された。その結果, 溶融合金と蒸着膜とでは吸着水素量に大きな差異があること, および, 吸着水素量は, 溶融合金および250℃で熱処理された蒸着膜ではα線照射によって増加するが30℃で熱処理した蒸着膜では逆に減少すること, また吸着エチレンの量は合金組成にほとんど関係なくほぼ一定であることがわかった。これらの結果から金属の触媒活性は金属の構造的因子に依存することがわかった。