半減期115日の
113Snを利用する
113mIn発生器は, 長期にわたって1日に2回以上ミルキングでき, ここに得られる短半減期 (100分) の
113mInは, β線を放出せず393keVの純γ線を放出する実用上便利な核種である。
硫化第二スズを陰イオン交換樹脂内で沈殿化して固定させたカラムを使用し, 同位体交換反応を利用して
113mIn発生器を試作した。この調製法は迅速かつ簡単である。0.1~0.01
M塩酸溶液10~15mlにより, 0.5~0.7ml/minの流速で1日に2回, 数十回ミルキングした。この結果
113Snの漏れはつねにはじめの放射能の10
-3~10
-4%のものが得られた。この方法によって得られる
113mInの純度の変動は小さいから, 次回のミルキングで得られる
113mInの純度が予測できて便利である。
113Sn原液中に含まれていた放射性不純物
60Coおよび
114mInは, この方法によってカラムから除去された。
113mInの収率は約20%であり, 溶離の迅速化および溶離剤の減量化とともに改良の余地が認められる。
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