1968 年 17 巻 7 号 p. 287-293
患者に投与されたRIは, 個体差や病変のぐあいにより目的臓器での分布が異なる。また, 臓器の大きさ, 形, 位置によっても計数率に変動があり, 一次元の表示であるシソチグラムにより三次元である臓器のRIの状態を完全に掌握することは困難である。われわれはできるだけ忠実に臓器でのRIの態度をシンチグラムに表現し, 診断能向上を図るべく5in.φ×2in.のシソチレーターを使用する検出器を対向して配置したスキャナーを開発した。この装置は上部検出値, 下部検出値, 上下検出値の加算, 上部より下部検出値を減算したものや, 上下の同時計数によるものなどのシンチグラムが得られる。これらの方法や, 測定装置の改良, シンチレーターを大きくしたり検出器を対向型にしたことなどにより, 感度や解像力が非常によくなり診断価値のあるシンチグラムが得られる。