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硫化テクネチウム (99mTc2S7) コロイドによる肝シンチグラフィ
渡辺 克司稲倉 正孝川平 建次郎武田 儀之仲山 親
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1971 年 20 巻 10 号 p. 519-524

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抄録

従来, 肝シンチグラフィに広く用いられてきた198Auにくらべて, 99mTcのほうが肝腫瘍検出能力において, よりすぐれていることを簡単なファントム実験を行なって証明した。
また, 99mTC2S7-colloidを用いた肝シンチグラフィを52症例に行なった。副作用は1例も認められず, きわめて良好なシンチグラムを得ることができた。99mTc2S7-colloidを3~6mCi投与すれば, シンチカメラでは10~20秒間の呼吸停止下に良好なシンチフォトを得ることができ, 肝内腫瘍の検出能力は向上する。99mTc2S7-colloidによる肝シンチグラフィでは脾への集積が著明に認められ, 脾影の出現の有無に病的意義を見出すことはできない。しかし, 肝硬変, バンチ氏病などで明瞭な脾影が得られることは, 脾腫の診断においても有用な情報を与えるものであると考えられる。

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