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放射化分析による脂肪組織中の塩化ビフェニルの定量
万里 輝男新堀 義夫村川 章一郎望月 義夫
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1971 年 20 巻 8 号 p. 371-375

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抄録
トリチウムで標識した塩化ビフェニルを胃ゾンデによりラットに経口投与し, その脂肪組織 (塩化ビフェニルのままで存在する) 中の塩化ビフェニルを抽出後, 抽出物中の塩素を中性子放射化分析で求めて塩化ビフェニルを定量した。同時にトリチウムを液体シンチレーションカウンターで測定して分析値の比較をおこなった。
試料をドライアイスで冷却しながら石英容器に封入し, 原子炉で照射したのち電気炉でそのまま焼いて分解させる。つぎに塩素の担体を含む吸収液の中で容器を割り, 塩化銀を沈殿としてとり, 38Clのγ線をシンチレーションカウンターで測定する。
両者の分析結果は良く一致しており, この方法は生体試料が少量の場合には湿式酸分解が困難な塩化ビフェニルの分析に有効である。
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