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淡水生物による放射性ルテニウムの摂取ならびに排出
本田 嘉秀古賀 妙子森嶋 弥重佐藤 安生北脇 重富西脇 安
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1971 年 20 巻 8 号 p. 376-382

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抄録
生物群落における淡水生物による放射性ルテニウムの摂取, 蓄積について, 淀川表流水, 淡水生物5種, 底砂から成る水槽生態系に106RuNO-nitratoを1回添加して実験を行なった。生物における放射能濃度は1~2日でピークとなったのち徐々に平衡状態になる傾向を示し, 底砂上部への蓄積は約7日で平衡状態になった。各生物の106Ruに対する平均濃縮係数はアオウキクサ, タニシ, カワニナ, カラスガイ, 小ブナの順に低くなった。貝類の軟組織においては106Ruの濃縮係数は水槽生態系では単一種飼育より約1/5~1/10程度低い値を示した。生物に蓄積された106Ruの排出はニトロシル錯体よりもクロロ錯体のほうが速く, 組織により2つの生物学的半減期が観察された。
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© 社団法人 日本アイソトープ協会
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