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コバルトアンミン錯塩における (n, γ) 反応の化学効果
安部 静子佐野 博敏富永 健斎藤 信房
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1972 年 21 巻 9 号 p. 543-548

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抄録

〔Co (NH3) 6〕 (NO2) 3, 〔Co (NH3) 5NO2〕 (NO2) 2およびcis-, trans-〔Co (NH3) 4 (NO2) 2〕Clを熱中性子照射した場合, 59Co (n, γ) 60Co反応により生ずる60Coが, どのような化学形の分布をするかを, 照射条件および照射後の条件を変えて調べた。ドライアイス温度で照射し, 照射中および照射後のアニーリングをできるだけおさえた場合には, いずれの試料についても80~90%の60CoがCo (II) のフラクションに見いだされた。照射中あるいは照射後のアニーリングが進行するにしたがい, Co (II) フラクションの60Coは減少し, リテンション値はもちろんであるが, 他の種々のコバルト (III) アンミン錯体の生成あるいは増加が観測された。

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