1976 年 25 巻 9 号 p. 546-551
われわれは, さきに臓器シンチグラムの解剖学的位置関係を明らかにするためPhotoscintilloroentgenographyを考案した。しかし, この方法はX線像の拡大によりシンチグラムとの間に1対1の位置の対応を示さず, X線撮影と臓器スキャニングを同時に実施できない欠点がある。この欠点を解消するため, 透過スキャン法を導入し, 二対向型スキャナーのフォト記録部を一対に組み合わせ, 両光源からの光点がフィルム面上の同一点に入射するように改良し, 一方を透過スキャン用光源, 他方を臓器スキャン用光源とした。かくすることにより, 透過スキャンと臓器スキャンはずれることなく投射され, 時間的なずれもまったくなくなる。本法について, ファントム実験ならびに臨床的応用について述べた。