1977 年 26 巻 1 号 p. 1-5
RIとして85Sr, 109Cd, 131Iおよび203Hgを供試し, RIの消化管における吸収率とそのときの決定臓器による摂取率との相関性について, マウスを用いて実験的に検討した。
全身オートラジオグラフィにより各RIの体内分布を調べ, 決定臓器は85Sr: 骨, 109Cd: 肝臓, 131I: 甲状腺, 203Hg: 腎臓とした。RIの静脈内注射量と決定臓器による摂取量との関係は, いずれの場合も, 決定臓器による摂取量を放射能で表すと注射量と正の直線関係を示し, 注射量に対する割合で表すと各注射量とも一定であった。さまざまの消化管における吸収率とそのときの決定臓器による摂取率を求め, 両者の相関性を計算により調べたところ, いずれの場合も, 両者の間に良好な相関があることが明らかになった。