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In vivoけい光X線分析法による甲状腺のヨウ素濃度の測定
今村 恵子佐々木 康人宇治 輝幸染谷 一彦藤井 正道
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1977 年 26 巻 12 号 p. 858-863

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抄録

甲状腺のヨウ素濃度の測定を目的とし, けい光X線分析の簡便な装置を組み立てた。300mCiの241Amを線源とし, 検出器は超高純度Ge (50mm2×5mm) を用い, コリメータはdiverging型のものを作成した。計測時間を5分までとし, 30%の変動係数を許容すると, ヨウ素濃度の検出限界は0.2mg/gであった。剖検時摘出した10個の甲状腺 (正常) について測定した結果, ヨウ素濃度は0.3~1.2mg/gの範囲にあり, 平均値は0.6mg/gであった。中性子放射化分析法による結果ともよく一致し (r=0.93) , 本法はヒト甲状腺内のヨウ素濃度をin vivoで測定するのに十分使用できる。

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