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軟β線によるポリ塩化ビニルシートの静電気除去
板倉 国男和田 延夫
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1978 年 27 巻 4 号 p. 178-182

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抄録

静電除去用放射線源としての147Pmおよび3Hβ線源の適用性について実験的に検討した。帯電材料に一定の速度で走行する塩ビ・シートを用い, β線を照射する前の初期電荷密度とのちの残留電荷密度の関係を走行速度および照射距離を変えて測定し, 除電効果を評価した。実効放射能200mCiの147Pmβ線源を用いる場合, 走行速度が0.18m/s以下であれば電荷密度6×10-6C/m2までほぼ完全に除電できる。また通常の走行速度0.5m/sでも, コロナ放電式除電器では除電効率が悪くなる3×10-6C/m2以下の静電気はほぼ完全に除去できる。放射能1Ciの3Hβ線源は147Pmほど期待する除電効果は得られなかった。147Pmβ線源を用いる場合, 照射距離10cmのときいずれの走行速度においてもいちばんよい除電効果が得られた。

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