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水溶液中におけるニトラトニトロシルルテニウムの挙動
杉本 仙市
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1979 年 28 巻 11 号 p. 669-674

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抄録

RuNOニトラト錯体の水溶液中における解離挙動や溶液特性について調べた。TBP抽出試験によってRuNOニトラト錯体の未解離分子を経時的に測って, 反応次数やTBP-H2O系での分配比を調べ, またモル吸光度ならびにpHの経時変化等から考察して, 第1段階でのプロトン解離は比較的短時間 (数十分以内程度) で終結するが, ルテニウム濃度に影響をうけることを明らかにした。またプロトン解離生成物〔RuNO (NO3) y (OH) 3-y(H2O) 20も, 段階的な解離をさらに緩慢な速度で長期にわたって行っていくことを, H+濃度の経時的な測定で調べ, 二, 三の解離般階における速度定数を試算し, さらに電導度測定によって, RuNOニトラト錯体の解離度や解離定数についても試算した。

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