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膀胱がんのスクリーニング検査としての尿中CEA測定の臨床的意義―尿細胞診と比較して―
鴛海 良彦八木 拡朗西谷 弘山脇 均仲山 親鴨井 逸馬松浦 啓一百瀬 俊郎
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1979 年 28 巻 6 号 p. 367-370

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抄録

膀胱がんで非感染尿が得られた26例について, 尿中CEA測定と尿細胞診の診断能を比較検討した。
尿中CEA測定の陽性率は65%であったが, 尿細胞診の陽性率は58%にすぎなかった。また尿細胞診陰性例 (Class I, II) の11例中8例は尿中CEA陽性であった。さらに尿細胞診ではwell differentiated type例の検出は難しかったが, このような症例6例のうち4例は尿中CEA陽性であった。
尿中CEA測定と尿細胞診を併用すると, その陽性率は85%となる。今後, 膀胱がんのスクリーニング・テストとして両法を併用すれば, 診断能をいっそう高めることができるものと考える。

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