低レベル放射性廃液中にみられる
106Ruとしてニトラトニトロシルルテニウム錯体を用い, 除染試験を行った結果, 金属鉄が除染材としてもっとも適していることを確かめ, またその除染機構に関する簡単な考察を行った。
実験はバッチ法・カラム法の両方で行い, 金属鉄による
106Ruの除染能力は鉄表面ならびにその酸化状態に影響うけることを実験的に明らかにした。鉄表面は通液中しだいにFe (metal) →Fe (II) →Fe (III) と酸化をうけるが,
106Ruの除染はこれらの酸化が活発に行われるとき高まり, これが緩慢となりFe (III) への移行が終れば低下する。鉄材質は易錆性が難錆性よりも
DFは高く, 通液当初は通液とともに
DFを増大する傾向を示すが, やがて低下する。長期試験では床容量10000で平均DF150程度の好成績が得られた。
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