抄録
99mTc-phosphateによる骨シンチグラムはいまや骨転移巣の検索に欠くことのできない検査法となっている。しかし, これは転移巣のみならず良性の骨病巣にも時として集積してしまうため, 集積像をただちに転移巣と言いきれないという問題がある。
そこで, われわれは焦点を脊椎にしぼり, 骨シンチグラム上の異常集積のもつ臨床的意義について検討を加えた。
その結果, 脊椎の集積パターンは, 一部の良性病変, たとえば変形性脊椎症や椎間板変性などで, 骨転移の場合の集積と多少異なったニュアンスを示すものがあることがわかった。今後のシンチグラム読影に役立つものと思われる。