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キレート剤投与による 67Ga-citrate の tumor/blood 比の改善
佐治 英郎横山 陽幡 直孝三崎 敦司田中 久森田 陸司福永 仁夫鳥塚 莞爾
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1980 年 29 巻 1 号 p. 7-12

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抄録
67Ga-citrateの体内分布に与えるキレート剤の影響を, エールリッヒ担がんマウスを用いて検討した。使用したキレート剤は, CaEDTA, CaDTPA, D-penicillamine, DMSA, desferoxamine, NTA, cysteine ethyl ester, BAL, α-MPG, phthalein complexoneの10種類である。これらのキレート剤を, 67Ga-citrate投与1時間後に投与すると, 大部分の場合, 血中からの67Gaの消失を速める一方, がんへの取込みには比較的影響を与えず, 結果的にtumor/blood比の上昇が認められた。このように, キレート剤の投与は, イメージの改善には, 1つの有効な方法であることが示された。さらに, これらのキレート剤のうち, D-penicillamineが最も効果的であり, 67Ga-citrateのみを投与したcontrol groupに比べ, かなり早い時点で, かなり高いがんと他の臓器との取込み量の比が得られた。
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© 社団法人 日本アイソトープ協会
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