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放射性物質の飛散の測定
―溶液の一般的操作における飛散率の核種間相互比較―
武藤 利雄高田 茂伊藤 伸彦北原 明治千坂 治雄池田 正道
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1982 年 31 巻 12 号 p. 641-647

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抄録

非密封放射性同位元素 (RI) の通常の取り扱い時における飛散率 (RIが空気中へ放出・飛散する割合) を測定した。使用量, 使用件数の多いRIの中から12核種, 16化学形について測定したところ, 核種および化学形により飛散率は大きく異なることが明らかになった。
飛散率の高いRIは3H (アミノ酸混合物) , 14C (アミノ酸混合物) , 35S (システイン) , 75Se (セレノメチオニン) などであり, それらの値は1時間当たり4×10-5~7×10-4であった。131I (ヨウ化ナトリウム) など放射性ヨウ素は1時間当たり4×10-6~2×10-5であった。また32P (リン酸) , 35S (硫酸ナトリウム) および多くの金属元素に属する核種などは低い飛散率を示し, その値はおおむね1時間当たり10-7以下であった。
以上の結果から, 核種および化学形と飛散率との関係を考察した。

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