RADIOISOTOPES
Online ISSN : 1884-4111
Print ISSN : 0033-8303
ISSN-L : 0033-8303
201Tlの肺集積の検討
―肺血管外スペースにおける201Tl像―
藤井 忠重平山 二郎金井 久容半田 健次郎草間 昌三矢野 今朝人高本 信治丸山 喜代次滝沢 正臣
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 31 巻 4 号 p. 179-184

詳細
抄録

心肺疾患6例に201Tlシンチグラフィを実施し, 血液および体外計測により経時的放射能量変化を観察するとともに99mTC-ヒト血清アルブミン (99mTC-HSA) を併用し, 肺血管内スペースに存在する201Tlの画像を求め, これを201Tl像からサブトラクトし, 肺血管外スペースの201Tlの画像を算出した。血中消失曲線では急速に減少し, 15分後では静注1分後の値の10~15%となり, 体外計測で肺の放射能量は100~150秒後にほぼ一定となった。肺血管外および肺血管内スペースにおける201Tl量は, 症例により若干の差異を認めるが肺集積量のおのおの94.9~99.7%, 0.6~7.2%を占め, また, 前者の画像は通常の201Tl像とほぼ同様であり, 201Tlの肺集積はほぼ肺血管外スペースへの集積とみなせる。

著者関連情報
© 社団法人 日本アイソトープ協会
前の記事 次の記事
feedback
Top