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フェニルプロピオン酸誘導体の重水素標識化合物の合成
森 幸雄柴田 正芳酒井 淑行横家 房志豊吉 一美馬場 茂雄
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1983 年 32 巻 11 号 p. 533-538

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抄録

抗炎症剤2- (4- (2-チエニルカルボニル) フェニル) プロピオン酸 (スプロフェン, IV) のヒトおよび動物における代謝をマスフラグメントグラフ法で検討するときの内部標準物質として, 2- (4- (2-チエニルハイドロキシメチル) フェニル) プロピオン酸 (I) , 2- (4-カルボキシフェニル) プロピオン酸 (II) および2- (4- (5-ハイドロキシ-2-チエニルカルボニル) フェニル) プロピオン酸 (III) の重水素多重標識体を合成した。I-d4は, IV-d4を水素化ホウ素ナトリウムで還元することにより収率93%で得られ, その重水素含量は99atom%であった。一方, II-d4 (99 atom%D) は2- ( (4-ブロムフェニルーd4) 1, 1-エチレングリコール) プロパン (V) から4ステップの反応を経て総収率43%で, またIII-d4 (98.4atom%, D) はVから5ステップの反応を経て総収率12%で得られた。

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© 社団法人 日本アイソトープ協会
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