1988 年 37 巻 10 号 p. 558-563
99mTc-スズコロイドを用いて肝血流指数K値を測定し, 正常者と肝硬変症とのK値に有意の差を認めた。そこで肝切除予定患者に99mTC-スズコロイドを静注時より30分間肝の集積状態を収録し, その肝前面シンチグラムにmatrix ROIを設定し有効肝体積を算出した。つぎに同じシンチグラムに切離線を引き切除予定部分を除外したのち, matrix ROI内の局所k値および同所有効肝体積を算出し, 肝機能予備力の指標としてそれらの値を用いて残存肝機能体積率を求めた。術前に検査のできた肝切除患者24症例につき検討した結果, 肝切除限界は残存肝機能体積率が0.40-0.45にあるものと推定できた。