1993 年 42 巻 3 号 p. 143-150
筑波トンネルの掘削工事に伴う湧水中の, ウラン濃度, 234U/238U放射能比および水質について調査した。トンネル内では, 坑口からの距離や壁岩の岩質の変化に伴いウラン濃度や水質が変化した。234U/238U放射能比は, 壊変に伴う反跳効果でいずれも1よりも大きな値を示したが, 最大3.9という試料が見いだされた。これは比較的還元的環境下の試料であったがウラン濃度も高く, 岩石と長時間接触・滞留していたHCO3-濃度の高い深層地下水と判断された。