抄録
液体シンチレーションカウンタを用いた水中ラドン濃度測定において, 直接測定法の方が抽出測定法よりも, 測定が簡単で, 望ましいと思われる。60分間測定した場合のラドン濃度の検出限界は, 抽出法では0.03Bq/kgで, 直接法では1Bq/kgであった。飲用水中のラドン濃度が, 米国環境庁の提示している最大汚染レベル (11.1Bq/L) 以下であることを調べるためには, 検出限界のラドン濃度は, 直接法の1Bq/kgで十分である。積分計数はゼロ外挿法によって補正した。最適な3点の効率トレーサポイントのウィンドウ値は, 50keV-∞, 75keV-∞, 100keV-∞であった。この効率トレーサポイントは, 現在日本で使われている主な液体シンチレーションカウンタで有効であった。