アニーリング処理を施すことにより, イメージングプレート (IP) を受動型積算計として開発し, 環境γ線量のモニタリングの測定を試みた。IPを積算計として利用するには, フェーディングが大きな問題となる。フェーディングはFセンターに捕獲されている電子が, 熱的に浅いいくつかのレベルにより正孔と再結合することにより生じると考えられる。照射後のIPにアニーリング処理を施すことにより, 活性化エネルギーの低い捕獲電子を解放し, 累積線量を安定して定量測定することが可能である。積算中のフェーディングの影響を最小化するアニーリングの最適条件を用いることにより, PSL密度 (PSL/mm
2) の値から1か月積算線量を直接得ることが可能であることを示した。
本法により環境γ線量の測定を1年間行い, 環境用ルクセルバッジによる測定結果との比較検討を行った。
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