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放射性三ヨウ化物イオン (125I3-) を用いたアルケニル型グリセロリン脂質の高感度定量
前場 良太植田 伸夫新村 幸雄
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2004 年 53 巻 5 号 p. 287-294

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抄録
アルケニル型グリセロリン脂質 (すなわちプラスマローゲン) の定量法は, 現在までにいくつか報告されているが, いずれも方法が煩雑であり精度や感度の点から十分とはいえなかった。また, 従来の方法ではアルケニル型グリセロリン脂質を他のジアシル型グリセロリン脂質などとintactなまま分別して定量することは不可能であった。本研究では, アルケニル型グリセロリン脂質を感度良く簡便に測定する方法を開発することを目的として, 三ヨウ化物 (1-) イオン (I3-) がメタノール溶液中でアルケニル型グリセロリン脂質のビニルエーテル結合 (-CH2-O-CH=CH-) と特異的に反応するという事実に基づき, 放射性ヨウ素を用いたHPLC法を検討した。市販の放射性ヨウ素 (125I-) をメタノール中で酸性条件下 (pH5.5~6.0) , 過酸化水素 (H2O2) で酸化することにより, 安全で (ほぼ100%の回収率) 効率良く (70~80%) アルケニル型グリセロリン脂質に結合可能な放射性三ヨウ化物 (1-) イオン (125I3-) に変換することができた。I3-はアルケニル型グリセロリン脂質と特異的に1: 1の割合で反応し, ヨード原子1個につき2あるいは1個のビニルエーテル結合 (-CH2-O-CH=CH-) が結合に関与した。今回調製した1-125試薬 (1.85MBq/mL) を使って, 数十pmolの感度でアルケニル型グリセロリン脂質を検出することができた。
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© 社団法人 日本アイソトープ協会
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