2004 年 53 巻 7 号 p. 405-413
自然の空間線量率と原子力施設の小さな事故による空間線量率の変動を識別することは, 放射線管理の観点から重要である。そのため, 平常時の空間線量率の正確なデータを把握していなければならない。空間線量率は, 気象条件や地形及び地質によって影響を受ける。著者らは, 静岡県の浜岡原子力発電所周辺における晴天時及び雨天時の空間線量率の変動要因について検討した。空間線量率の変動は, 晴天時には, ラドン娘核種濃度に依存し, 雨天時には, ウラン系列からのγ線に依存した。空間線量率の変動へのトリウム系列及び40Kからのγ線の寄与は, 観察されなかった。