2024 年 28 巻 1 号 p. 5-12
バラスト軌道の軌道変位保守では,大型機械であるマルチプルタイタンパ(MTT)によって数百mの延長にわたり連続的に行われる.一方で,スポット的な保守としてはハンドタイタンパ(HTT)による人力施工が従来行われてきたが,軌陸バックホウを使った4頭タイタンパ(4頭TT)等の小型機械の運用を拡大してHTT施工を代替することで,機械化による作業効率や作業安全等の向上が期待できる.本研究では,小型機械の運用上の制約等を考慮して,効果の高い小型機械の保守計画案を作成する手法を提案し,さらに現場で活用可能なシステムを開発した.開発したシステムで実在するモデル線区を対象に保守計画を試算したところ,MTTと4頭TT等を組み合わせた効果的な軌道変位保守計画を作成するのに有効であると考えられる結果を得た.