1999 年 21 巻 8 号 p. 505-514
本研究では, 振動信号の情報ダイバージェンス(Information Divergence:ID)およびカルバック-ライブラー情報量(Kullback-Leibler Information:KI)による回転機械の劣化傾向管理方法を提案する.すなわち, まず時間領域の振動波形に対するIDが回転機械の劣化傾向管理用の特徴パラメータとして優れた性能と高い異常検出感度を持つことを示す.ついて, 時間領域および周波数領域におけるIDとKIに対する劣化傾向管理用の統一的な判定基準(注意レベル, 危険レベル)の設定方法を示し, これが現場の劣化傾向管理に有効であることをシミュレーションにより検証する.