日本信頼性学会誌 信頼性
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最新号
Cu ボンディングワイヤーを用いた樹脂封止 LSI の信頼性
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 石川 雄一
    2019 年 41 巻 4 号 p. 214-220
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/02/03
    ジャーナル オープンアクセス
     本稿では,Cu の屋内大気腐食挙動に関して,樹脂封止 LSI のワイヤボンディング材料としての適用を念頭に置き概説する.最初に,Cu の屋内大気腐食のメカニズム,腐食初期に Cu 表面に生成する変色皮膜の問題について解説し,そして表面が湿潤状態にある際の基本的耐食性を電位 -pH 図を用いて,ワイヤボンディング材料として使用される他の金属材料である Au,Ag,Al と比較して説明する.続いて湿潤大気中での腐食挙動,腐食性ガスの影響,さらに屋内大気中での腐食データについて言及し,最後に樹脂封止 LSI に用いる Cu ボンディングワイヤの腐食課題について検討する.
  • 宇野 智裕
    2019 年 41 巻 4 号 p. 221-226
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/02/03
    ジャーナル オープンアクセス
     半導体の内部で電気信号伝達を担う基幹部材であるボンディングワイヤには,化学的に安定している金(Au)がこれまで 50 年以上して使用されてきた.低コストで高伝導性のある銅(Cu)ワイヤの開発が挑戦されてきたが,酸化問題等により LSI 用途では実用化されなかった.Cu の表面に薄い Pd 被覆を形成した Pd 被覆 Cu ワイヤを開発した.独自の被覆構造設計により,従来の Cu ワイヤが解決できなかった信頼性の課題を克服している.具体的には,耐酸化性付与によるワイヤ寿命向上,高い接合性,ボール形成時の水素フリー化,高湿加熱環境下での接合信頼性向上などを達成し,Au ワイヤと同等の高い信頼性を実現している.Pd 被覆 Cu ワイヤは Au ワイヤと同等の高信頼性を達成しており,最先端LSI への要求に応えられる Cu ワイヤとして新たな市場を開拓した.
  • 今 喜裕
    2019 年 41 巻 4 号 p. 227-232
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/02/03
    ジャーナル オープンアクセス
    電子機器に搭載される LSI の信頼性向上に向け,被覆する封止材の視点から改善手法を模索した最近の成果を紹介する.封止材に塩素などハロゲンが多量に含まれると,ボンディングワイヤを腐食し回路の短絡など製品寿命の短期化を招くことから,封止材の原料をハロゲンフリーに製造する技術が必要となる.しかし,ハロゲンフリーな原料を製造する場合,既存の高効率製造法が存在しないため,新たな合成ルート・触媒反応を確立しなければならない.本稿ではハロゲンフリーな封止材の原料であるエポキシ化合物の高効率合成について述べたのち,合成したエポキシ化合物と硬化剤との複合化による封止材の作成と長期絶縁信頼性試験について紹介する.本技術にて作成されたハロゲンフリーな封止材が長期絶縁信頼性試験において良好な結果を示していることから,LSI の信頼性向上へ向けた方策として,ハロゲンフリーな封止材の活用が有効な選択肢の一つになると考えている.
  • 八巻 潤子
    2019 年 41 巻 4 号 p. 233-238
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/02/03
    ジャーナル オープンアクセス
     半導体デバイス製品の信頼性において,Al パッド / Cu ワイヤ界面の接合強度を向上させることは重要な課題の一つである.Cu ワイヤは Au ワイヤと比較して高温環境下での酸化が課題となっている.そ こ で, 環 境 制 御 型 超 高 圧 電 子 顕 微 鏡( 以 下 UHV_ETEM:Ultra-High Voltage Environmentally Transmission Electron Microscope)を用い,できるだけバルクに近い状態で Al/Cu 界面のその場観察を実施した.その結果,Al/Cu 加熱によって合金形成が進む様子をその場観察し,Al 粒界に沿って合金化が進むこと,さらに,合金形成にともなう Al/Cu 界面近傍の構造変化の様子を詳細に捉えることに成功した.また Al/Cu 界面の加熱,ガス雰囲気実験では,Al/Cu 界面の Cu 側に空隙が観察され Cu が脆弱であることが分かった.本手法は組成の構造変化を伴う故障メカニズムの解明に有効であると考えられる.
  • 福田 啓介, 椹木 哲夫, 堀口 由貴男
    2019 年 41 巻 4 号 p. 249-262
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/02/03
    ジャーナル オープンアクセス
     組織的制約下の作業では一定の目的や,規則・規範(規準)に沿い,作業者が実行方法を調整する一方,組織活動は外部の変化や内部での対立・葛藤に誘導され目的や規準を変容させる.既存の安全性分析手法ではこれら作業の実行と組織活動の相互の影響関係が十分に考慮されていない.本研究では,人間の行動は組織活動の規準に媒介されるとする活動理論と,作業の遂行上の部分的な変化の影響が作業全体に伝播することで,作業の一連の手順が変容する過程を追跡するための機能共鳴分析手法を融合する.鉄道の列車運行を例に分析し,組織活動における規準の変容と作業実行時の一連の手順の変容が相互に影響し合い事故出現に至る構造を明らかにする.提案手法により,新たな機械の導入を契機とする,作業の一連の手順の変容やこのような変容が組織活動の中で定着する過程について,事前に把握できることを示す.
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