2001 年 23 巻 7 号 p. 713-716
近年の医療現場において,医師も患者も納得できる治療方針を立てる必要性が増大した.一方,医療データは要因が複雑に入り組んでいるため解析がしにくい.本研究では肺癌患者の症例を,主に患者固有の項目と治療項目で整理し,それぞれの要因の組み合わせにより症例の層別をヒューリスティックに行った.次に層別毎に余命分布の違いの検定や,平均余命の差を検討し,症例の層別検討結果の表記法を含め,治療方法と余命の関係について考察した.更に層別された余命分布に対しWeibull分布をあてはめて母数の推定をし,治療方法と形状母数の関係について若干の検討を行った.