日本信頼性学会誌 信頼性
Online ISSN : 2424-2543
Print ISSN : 0919-2697
ISSN-L : 0919-2697
アドバンストFTAのプラント・リスク解析への活用と安全度水準の検討
柴田 義文佐藤 吉信
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 24 巻 8 号 p. 741-751

詳細
抄録

a-FTAとはANDゲートへの入力事象の発生順序を考慮するFTAで,最小カット集合は事象の発生順序を考慮した順序依存最小カット集合で表現される.最近発効したIEC61508規格では,システムのリスク解析を行ない,リスク軽減目標を定め,安全関連系に安全度水準(SIL)を割り当てることが要求される,本論文は,プラント・モデルを設定して,通常のFTAとa-FTAを用いてリスク解析を行い,危険事象頻度を求めた.さらに,規格で要求されるハードウェア安全度に関する安全関連系の構成上の制約要求事項と詳細なリスク解析結果との整合性について検討した.この結果,事象の発生順序を考慮しない通常のFTAはa-FTAを用いた解析結果と比較して危険事象頻度の推定値を1桁程度過大に見積もることもあることがわかった.さらに,規格による構成上の制約事項から決定したSILとa-FTAから求めたSILを比較した.これにより,a-FTAのよるリスク解析とSILの決定をどのように結合するかを示した.

著者関連情報
© 2002 日本信頼性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top