抄録
半導体LSIの配線のエレクトロマイグレーション耐性の信頼性試験には時間がかかるため、サドンデス寿命試験を用いることが提案されている。それは、寿命分布の左裾に当たる、早期故障の観測数が確保できるため、より多くの配線が用いられるようになった今日の半導体LSIの、配線のエレクトロマイグレーションによる信頼性特性を調べるには適している。従来、確率紙を用いて寿命分布を選択することが多かったが故障データの確率分布に関して、本研究では、尤度に基づく方法で検討と選択を行う。実際のデータを解析し、エレクトロマイグレーションによる寿命分布の左裾の部分には、対数正規分布がよくあてはまる、という結論を得た。次いで、改めて対数正規分布に基づくサドンデス寿命試験の推定精度の評価を行い、対数正規分布の尺度母数の推定精度はサドンデス寿命試験の組数を替えてもあまり変化しないが、位置母数の推定精度は一組のアイテム数が多くなると落ちるため、試験に使用する組数を増やすのが良いことを見た。