日本信頼性学会誌 信頼性
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アクセス制御とデータ復元性を考慮した分散ストレージシステム(<特集>情報システムの信頼性・保全性)
中村 康弘平野 仁之柳 繁
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2006 年 28 巻 8 号 p. 569-581

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抄録

従来,ネットワークを利用したファイル共有は,サーバに保管されたファイルを多くのクライアントが共有する,サーバ・クライアント方式が用いられてきた.サーバ・クライアント方式ではサーバとその付近のネットワークに負荷が集中し,利用者管理を一元的に行うため,管理上の負担も少なくない.一方,インターネット上では不特定多数の利用者と相互にファイル交換を行うためにPeer-to-Peer(P2P)型のプロトコルが発展してきている.P2P型のファイル共有においてはすべてのファイルは公開情報として扱われるため,ファイルの公開・非公開などのアクセス制御を行うことができない.この論文では,組織内LANなどに点在するストレージの空き領域を仮想的に単一のファイルシステムとして扱うことができるP2P型の分散ストレージシステムを提案する.提案するシステムでは,ネットワーク負荷を考慮して,ファイルを分割保管し,ファイルがネットワーク内で偏在化せず,また保存データの信頼性を高めることを目的とする.

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© 2006 日本信頼性学会
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